第109章

契約結婚?!

古城裕司は目の前が真っ暗になり、北島神人に平手打ちをくらわせたい衝動に駆られた。

だが彼をもっと困惑させたのは、自分の娘の行動だった。

古城裕司はてっきり、世を騒がせる暴れん坊娘が、爆撃で粉々になる危険を冒して戦場で救護活動をするのが十分驚くべきことだと思っていた。

ところが三年間姿を消した彼女は、なんと彼に黙って結婚していたのだ!しかも相手は宿敵の息子!そして契約結婚だというではないか!

今この瞬間、古城裕司は自分の娘の脳みそを取り出して、一体何を考えているのか確かめたい気分だった。

北島神人は涙をこらえ、胸に鉄板を押し付けられたように息苦しさを感じていた。

こ...

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