第40章

会場の外のロビーで、黒いスーツに身を包んだ古城美雪が颯爽と歩いてきた。

まだオークション会場に到着する前に、北島美智子に悪意ある声で呼び止められた。

「まさか北島さんもいらっしゃるとは。古城社長と一緒ではないんですね。今やより高い地位に上り詰めたと聞いていますが、私たちのような者とは付き合いたくないのでしょうね」

「北島美智子さん、噂を流すのは簡単ですが、その代償についてお考えになったことはありますか?」

以前は大人しかった古城美雪がまさか反撃してくるとは思わず、北島美智子は外で自分のイメージを損なうような争いは避けたいと思った。「やはりね、後ろ盾があると強気になるものね」

続いて...

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