第48章

チャリティーオークションから戻ってきた古城美雪は、珍しく低気圧になって自分の部屋に閉じこもったままだった。

翌日の夜、古城蓮と古城律が妹を見舞うために別荘にやってきた。古城美雪は階下に降りて兄たちに会ったものの、元気がなく、すっかり気力を失っているようだった。

「美雪ちゃん、オークションでの出来事は竹内さんから聞いたよ」

古城蓮は急いで前に出て、妹の包帯で巻かれた手を優しく取り、心配そうに何度も撫でながら言った。「怪我の具合はどう?翔はちゃんと薬を変えてケアしてくれた?まだ痛む?感染してない?」

「私も医学を学んだから自分で処置できるわ。彼は十分忙しいのに、こんな小さなことで面倒をか...

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