第53章

一同は驚愕した。

北島美月と二人の姉妹は口を開けたまま、大きな衝撃を受けていた。

小林翔はネックレスを手に取り、北島美月の前に掲げた。端正な眉目には公平無私の冷たさが漂っていた。

「北島さん、ご覧ください。これが北島さんの無くなったネックレスでしょうか?」

「これ、これは……」

北島美月は愕然としてネックレスを受け取ると、突然尻尾を踏まれたかのように叫び声を上げた。「あっ!私のネックレス……どうしてこんな状態に?誰がやったの?!」

全員が目を凝らして見ると、この豪華なネックレスは何箇所も切れ切れになっていた。

「部長がネックレスの紛失を聞き、すぐに私に指示して、スイートルーム全...

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