第63章

「なんだって?!」

北島美智子母娘は二人とも凍りついたように固まった。一人は怒りを忘れ、もう一人は泣くことを忘れた。

「北島神人!お前、反逆するのか!」北島英一は血圧が上がるほど激怒した。

この常に愛されることのなかった私生児は、幼い頃から彼の意向に逆らうことはほとんどなかった。それがどうして今、社長になって羽が生えたとたん、彼に「できない」と言えるようになったのか?!

北島神人は一瞬我に返った。自分でも、こんなにも滑らかに拒絶の言葉が出たことに驚いていた。

「一体何を考えているんだ?!北島美雪と離婚すると言い出したのはお前だ!どうしても恵と結婚すると言い張ったのもお前だ!

今、...

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