第66章

前方、数歩先に。

堀内陽平と古城美雪が並んで彼らの方へ歩いてくる姿が見えた。一人は長身で端麗、もう一人は清楚で冷艶。まるで天が結び合わせた絵に描いたような美しいカップルだった。

北島神人の眉が痙攣し、堀内陽平が手に提げている買い物袋に目を留めた。一緒に買い物でもしていたのか?

古城美雪は北島神人と金崎恵に全く気づいていなかった。彼女は堀内陽平が生き生きと話す冗談に聞き入り、盛り上がったところで二人の視線が絡み合い、笑顔が花開いた。

理由もなく、北島神人の胸が締め付けられるように重くなり、目が痛くなるほど見つめていた。

そして堀内陽平もうっすらとその鋭い殺気に気づいたのか、ハッと顔を...

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