第69章

古城美雪は慌てて電話に出て、甘く「お兄さん」と呼びかけた。

「妹よ!お前の電話、かけにくすぎるぞ。オペレーターが忙しいのか?」古城律の声は焦りに満ちていた。

「何かあったの?」古城美雪は眉を寄せた。

「隼人から今日連絡なかったか?」

「ないわよ。もう、早く言って何があったの?」

古城律は心配そうにため息をついた。「昨夜、あいつと酒を飲んでな。二人とも酔っぱらって、あいつが、またあの暴言を…」

古城美雪の胸がドキリと鳴った。

古城隼人には奇妙な癖がある。普通の人は酒に酔えば言ったことを忘れるものだが、彼は酔って言った言葉を必ず翌日実行する!

しかも他の人が酔えば何を言ったか覚え...

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