第84章

一曲の舞いが終わり、古城美雪と男性ダンサーは手を取り合って頭を下げ、幕を閉じた。

正式な舞台でもなく、ただのプライベートパーティーだったにもかかわらず、彼女の絶世の舞姿によって、この場の格調は一段と高められ、最高級の舞踏会へと昇華していた!

金崎恵はそれらの賛辞を耳にしながら、目に嫉妬の炎を燃え上がらせていた。

かつて少女時代の彼女もピアノの腕前が素晴らしく、歌も踊りも得意で、賞を取りすぎて手が痛くなるほどだった。しかし海外に行ってからは、ただ男を探しては肉欲を満たし、快楽に耽るばかり。今ではベッドでの技術は上がったものの、才能とやらはすっかり忘れ去ってしまっていた。

「神人くん、北...

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