第88章

数十分後。

北島神人はいきなり古城美雪の別荘の玄関前に乗り付けた。

彼は窓を下ろし、温かな灯りを眺めながら、今この瞬間に堀内陽平が北島美雪と二人きりでいることを思うと、胸が綿でぎゅうぎゅうに詰まったように苦しくなった。

北島神人の眉間には深いしわが刻まれ、汗ばんだ掌の中でスマートフォンを握りしめていた。

画面に映っているのは、水のように滑らかなセクシーなキャミソールのナイトウェアを身にまとった北島美雪。優美で妖艶な身のこなしが朧げに浮かび上がっている。

以前の彼女は、ゆったりとした白い木綿のワンピースしか着なかった。まるでマタニティドレスのようで、体のラインなど全く見えなかったのに...

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