第96章

客たちはその声に振り向いた。

驚愕の色が広がる!

古城蓮が小林翔に付き添われ、微笑みを浮かべ、優雅な所作で大広間に入ってきたのだ。

古城美雪の瞳には星明かりが灯り、心は喜びに満ちて、「兄さん」という言葉が思わず口をついて出そうになった!

北島神人の心臓は急に縮み、もともと冷たかった瞳が一瞬で骨まで凍るような冷気を帯びた。

ふと、古城美雪は自分の横が冷え冷えとしていることに気づいた。まるで隣に氷山があって、尖った冷気を放っているかのようだった。

古城美雪は無意識に北島神人を横目で見た。男の極めて端正な顔立ちは暗雲に覆われ、深い瞳には嵐が渦巻いていて、本当に恐ろしい様子だった。

「...

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