第58章

影刃と佐藤義哉が反射的に遮ろうとしたが、星野星の反応はさらに速かった。手を上げて、その正体不明の物体をつかみ取った。

手に触れた感触は滑らかで冷たい。

なんと緑色の小さな蛇だった。

星野星は少し目を細めた。この小蛇は体格こそ小さく細いものの、異常なほど凶暴だった。

彼女に向かって頭を持ち上げシューッと音を立て、小さな牙をむき出しにして噛みつこうとしている。

星野星は二本の指に力を込めた。

急所を掴むと、さっきまで牙をむき出して暴れていた小蛇は一声鳴いた後、彼女の指先にぐったりとぶら下がった。

「私の小緑!」

一人の少女が駆け寄り、星野星の手から蛇を奪おうとしたが、彼女にかわさ...

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