第59章

夜も更けて、多くの人が風呂を済ませ、部屋に戻って休もうとしていた時、外から聞こえる騒がしい声に驚き、次々と部屋から出てきた。

佐藤義哉と影刃が真っ先に出てきた。

そこには、ドアの脇にもたれかかる星野星と、彼女の前に立つ辻谷寧々の姿があった。辻谷寧々は両手を前に差し出し、その手のひらには動かない緑色の小さな蛇が横たわっていた。彼女は涙を浮かべながら、怒りの眼差しで星野星を睨みつけていた。

「あなたが私の小緑を殺したのね!」

星野星は眉を上げた。「蛇を返した時、ちゃんと生きていたわよ」

「その時、大勢の人が見ていた」

影刃が言い添えた。

辻谷寧々は彼を無視し、星野星だけを睨みつけた...

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