第60章

星野星は辻谷寧々がもはや脅威ではないことを理解し、上機嫌で佐藤義哉に声をかけた。「熱いうちに食べて。これ、美味しいから」

佐藤義哉は笑いながら応じた。「ああ」

彼は星野星の顔を立てて、影刃と一緒に串焼きの蛇肉を一切れも残さず平らげた。

ところが星野星自身は一口も口にしなかった。

彼女はこの手の食べ物が好きではなかったのだ。

辻谷寧々は横で歯ぎしりしながらその様子を見届け、最後には目が真っ赤になるほど怒り、走り去った。

佐藤義哉は彼女の背中を一瞥し、冷たい瞳で尋ねた。「あいつが差し向けたのか?」

「たぶんね」

星野星は実のところ、誰が送り込んできたかなど気にもしていなかった。ど...

ログインして続きを読む