第111章

青山静はこれが罠だと知ったら、林田ククの皮を剥ぎかねないだろう?

林田ククは一瞬背筋が冷たくなった。駄目だ!誰が買っても構わないけど、藤原家の人だけは絶対に買ってはいけない!

何とか阻止しなければ!

藤原お爺さんが抽選番号を引くために壇上に上がろうとした時、林田ククは咄嗟に彼の腕を掴み、笑顔で言った。

「お爺さん、さっき青花の磁器を買ったんです。お爺さんにプレゼントしようと思って。とても素敵な模様なんですよ。車に置かせてありますから、今見に行きませんか?」

藤原お爺さんは林田ククの手の甲を優しく叩いた。

「気遣いありがとう。でも青花の磁器は後で見ても構わないよ。まずは抽選番号を引...

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