第112章

藤原深はこれほど開き直った責任転嫁を見たことがなかった。思わず苦笑いを浮かべながら言った。

「私がそんな危険なことをさせたの?よくも私のせいにできるわね?」

「わたし…」

「まあまあ、無事だったんだからいいじゃないか」佐藤時言は間に入って仲裁役を買って出た。

彼は林田ククに水を注ぎ、渡しながら好奇心を抑えきれない様子で尋ねた。

「どうして藤原お爺さんに玉如意を買わせたくなかったの?」

林田ククは水をひと口飲み、目線を泳がせながら言い訳を探した。

「別に…ただあの玉如意はあの値段に見合わないと思っただけ」

それを聞いて佐藤時言も彼女が本当のことを言いづらいのだと察し、それ以上は...

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