第115章

白川麻衣は両手を重ね合わせ、嬉しさのあまり絶えず手をこすり合わせながら、喜びの中にも少し不安を覗かせていた。

「それで、いつ契約できますか?」

今ここで契約しなければ、せっかく手に入れた良い仕事が飛んでしまうのではないかという不安があった。

林田ククはその不安を見抜き、微笑みながら言った。

「今です」

来る前から朝日明美は白川麻衣のことを絶賛していたし、林田ククは最初から契約するつもりだったので、契約書も持ってきていた。

彼女は労働契約書とペンを相手に渡し、白川麻衣はそれを読んだ後、問題がないことを確認して署名した。

林田ククは彼女が署名し終えるのを待ってから尋ねた。

「今す...

ログインして続きを読む