第140章

林田ククは自分が習慣的に藤原深のことを心配しすぎているんじゃないかと思った。もう離婚寸前なのに、この悪い癖を直さなきゃと。

個室内のアルコールの匂いがどんどん濃くなり、林田ククは急に息苦しさを感じた。ちょうど外に出て空気を吸おうと思った瞬間、向かい側から驚きの声が上がった。

柳田春奈が手に持っていたワイングラスを落としてしまい、赤ワインが小鳥遊初の上にかかってしまったのだ。

刑事である小鳥遊初は素早く立ち上がったが、それでもワインを浴びる運命からは逃れられなかった。彼女が着ていた白いセーターには今や赤いシミが広がり、とても目立っていた。

石田弘之はすぐにナプキンを取って彼女を拭こうと...

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