第150章

林田ククは手を伸ばして花を取り、見てみるとそれが小さなデイジーだとわかった。

このデイジーは林田ククが今年になって植えたもので、小さな一輪ではあるが、旺盛な生命力を感じさせてくれる花だった。彼女は気分が優れないときにはよくこの花を眺めてぼんやりしていた。

彼女はこの小さなデイジーに特別な愛着を持っていて、一輪でも枯れると残念に思うほどだった。まさか外祖父が来て、彼女の大切な花に手を出すとは思ってもいなかった。

でも水原おじいさんは故意にしたわけではないし、今も笑顔で林田ククを見ているので、彼女も相手の機嫌を損ねるわけにはいかなかった。

どうせ摘んでしまったのなら、せめて有効活用しよう...

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