第154章

水原心柔は薄化粧だけで、ピンクと白のフリンジが付いたロングドレスを身にまとい、その姿は抜群のスタイルを引き立てていた。たとえ人混みの中に立っていても、非常に目を引く存在だった。

彼女はシャンパングラスを片手に、悠々と他の人々と会話を楽しんでいた。

佐藤時言は林田ククの表情が変わったことに気づき、彼女の視線の先を追うと、すぐに群衆の中の水原心柔を見つけた。

彼は一瞬間を置いて、林田ククに説明した。

「商会の会長は以前から水原家とは旧知の仲で、水原心柔は今や人気タレントですから、今回も招待されたんです」

実際、林田ククは水原心柔がどうやって来たかなど気にしていなかった。ただここで水原心...

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