第163章

林田ククのその様子を見て、藤原深の胸の中に怒りが膨らんでいった。

だが、彼にはまだ少しの理性が残っていた。先ほど林田ククが言った「陥れる」とか「いじめる」という言葉を思い出し、ベッドの縁に腰を下ろして、きちんと事情を聞こうと思った。

ところが、彼の尻がベッドに触れた瞬間、林田ククに足で蹴り落とされた。

林田ククは顔をしかめて言った。

「服も着替えてないのに、そんな汚いまま、ベッドに触らないで!」

彼の体からは水原心柔の香水の匂いがしていて、それだけで腹が立った。喧嘩するならちゃんとすればいいのに、急に近づいてくるなんて何のつもりだ!

藤原深は尻もちをついて、顔が険しくなった。

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