第172章

藤原深はしばらく腰をマッサージし続け、腰の鈍痛が少し和らいだ頃、林田ククの表情もようやく少し明るくなった。

彼女は窓の外の景色を眺めながら、突然口を開いた。

「今日またお母さんから電話があって、何度もお爺さんの誕生祝いのことを持ち出してきたわ。彼女、今回の祝宴を取り仕切りたいみたいね」

藤原家の業界での地位に加え、藤原お爺さんの八十歳の誕生日となれば、当然盛大に祝うべき面目がある。

しかし祝宴の準備は時間も労力もかかるもの。彼女には理解できなかった。なぜ青山静が急に積極的になったのか。普段なら骨が折れるわりに見返りの少ないことは避けて通るのに。

藤原深は手を止めることなく、「ああ、...

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