第185章

林田山は急いで水原祥子に目配せをし、水原祥子は一瞬で理解し、すぐに藤原雲楽に駆け寄り、彼女を支えた。

「さっきの転倒、痛かったでしょう?ゆっくり歩きましょう」

林田山も彼女たちの傍に寄り添い、笑顔を作って言った。

「青山さん、お送りします」

二人のへつらうような態度に、林田ククは吐き気を覚えた。

彼らはおじいさんにもこれほど辛抱強く接したことなんてないだろう。

藤原雲楽は本来、水原祥子の触れることに嫌悪感を抱いていたが、足が痛むため、心の中の嫌悪感を抑え、彼女に支えられて外に出た。

二番目のおじさんは周りに誰も気づいていないことを確認すると、足早に後を追った。

皆が出て行くと...

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