第33章

林田ククは、考えることなく機械的にカードを引き、テーブルに投げた。

頭が反応する前に、彼女の手札はすでになくなっていた。

藤原雲楽が不機嫌そうな顔で残りの手札をテーブルに投げ出し、藤原深が林田ククばかり贔屓していると文句を言ってきた時、やっと彼女は勝ったことに気づいた。

林田ククの顔にようやく笑顔が現れた。ここ数日間で初めて藤原深に良い顔色を見せた。

彼女は藤原深の太ももを軽く叩いた。

「意外ね、負けを逆転させる腕があるなんて!」

彼女はこの一局もまた負けると思っていた。

藤原深は林田ククが自分に向かって笑うのを見て、一瞬ぼんやりとした。突然、久しぶりの感覚が蘇ってきた。

田...

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