第39章

林田ククは自然と目覚め、体を反転させようとしたが、何かに拘束されていることに気づいた。

目を開けると、誰かの腕の中にいることがわかった。

一瞬頭が真っ白になり、我に返るとすぐに藤原深を手で押しのけ、ばっと起き上がった。

「どうしてここにいるの?」

藤原深は彼女の声で目を覚まし、眉をひそめて彼女を見た。

「ここは俺の部屋だ。俺がここにいなくてどこにいるんだ?」

「おかしいわ、昨日ドアに鍵をかけたはずよ」

藤原深はまるでバカを見るような目で彼女を見つめた。林田ククはそのとき、この世には鍵というものが存在することを思い出した。

少し気まずくなったが、次の瞬間、もっと重要なことを思い...

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