第41章

藤原深はその写真を見つめ、林田ククが白い歯を見せて笑っている姿しか目に入らなかった。隣の男性の顔はモザイク処理されて何も見えない。

林田ククの笑顔を見れば見るほど、彼は不快感を覚えた。彼女が最近、自分にこんな風に笑いかけることはなくなっていた。いつも白目を剥くか、嫌味な態度を取るかのどちらかだった。

彼は数秒間写真を凝視してから、林田ククに電話をかけた。

林田ククは佐藤時言と席に着いて注文しようとしたところで、藤原深からの電話を受けた。彼女は相手に頷いて合図し、外に出て電話に出た。

電話が繋がるとすぐに男の詰問が飛んできた。

「今どこにいる?」

林田ククは気のない様子で答えた。

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