第47章

数回のやり取りの後、相手はようやく咳き込み、「わっ」と声を上げて水を吐き出した。

林田ククは急いで彼女を半分起こし、頭を横に向けさせた。

吐き終えた女性は、ぼんやりと目を開け、林田ククをじっと見つめたまま、口を動かしたが、苦しそうで言葉にならなかった。

林田ククは安心させるように彼女の肩を軽く叩いた。

「無理して話さないで。ここにいて、助けを呼んでくるから!」

林田ククの体はすでに凍えかけていて、震えながら前へと歩き出した。

石組みの角から突然人影が現れた。林田ククは寒さで頭まで凍えていたのか、本来なら避けられる距離だったのに、そのまま相手にぶつかってしまった。

ぶつかった瞬間...

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