第48章

藤原深は藤原雲楽の言葉に同意しなかった。林田ククは確かに短気な部分があるが、約束を破るような人ではない。一緒に宴会に来ると約束した以上、途中で逃げ出すようなことはしないはずだ。

藤原深は冷たい声で反論した。

「彼女はそんな人じゃない!」

藤原雲楽は鼻で笑った。

「まさにそういう人よ。彼女に何ができないっていうの」

彼女はいつものように林田ククの悪口を言っていたが、ふと顔を上げると、藤原深の視線が氷のように冷たいのに気づいた。彼女は一気に気勢が萎え、大人しく口を閉じ、それ以上何も言えなくなった。

藤原深は数秒考え込んだ。林田ククがトイレに行ったのかもしれない。ちょうどお腹の調子が悪...

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