第60章

石川遥にとって、これは完全に黒歴史だった。彼女の心の痛いところを林田ククに大勢の前で暴露され、面目が丸つぶれだった。

彼女は憤然として前に出た。

「何ですって?もう一度言ってみなさいよ!」

石川遥は恥ずかしさと怒りで我を忘れ、感情が制御できなくなり、手を伸ばして林田ククを突き飛ばそうとした。

林田ククは素早く二歩後ろに下がり、彼女の手を指さして警告した。

「ちょっと、その手に気をつけてよ。もし本当に私に触ったら、すぐに警察を呼ぶからね!」

最初は偽物のバッグをプレゼントし、次は他人とバッグを争って交番送りになるなんて、これから石川遥がどう世間を渡っていくのか見物だわ。

石川遥は...

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