第16章 あなたたちと友達になりたい

そう言うと、彼女は星ちゃんの手を引いて先生の職員室へと向かった。

まずは先生を見つけて、それから先生に連れて行ってもらおう。

星ちゃんは健太の言うことをよく聞いて、健太が自分の小さな手を引いているのを感じると、それまで心にあった暗い影がすっかり消えていった。

なぜだか分からないけれど、この二人と一緒にいると、何だか親しみを感じて、不思議な懐かしさがあった。

先生は星ちゃんが怪我をしたのを見て、とても心配して、すぐに保健室へ連れて行った。

これは高橋家のお嬢様なのだから、もし何かあったら責任が取れないのだ。

ここには名門家庭の子どもたちばかりだが、星ちゃんのことはさらに緊張させられ...

ログインして続きを読む