第28章 価格の調整が必要

「一番の理由は適正価格で、暴利を取らないことです。私たちの研究所が海外でも影響力を持っていることを彼らも知っていますから、対応もかなり良いんですよ。心配する必要はありません」

江口美咲はうなずいた。K市の主要な薬品商はどこも知っていたので、一つ質問した。「私たちと契約するのはどこの会社ですか?」

「藤原家です!」佐藤川が答えた。

江口美咲はその言葉を聞いて一瞬固まった。藤原家?

K市で薬品を扱う藤原家といえば……

たった一つしかないはずだ。

それも彼女とトラブルがあった家だ。

なんて偶然、江口美咲は心の中で冷笑した。自分の運がこれ以上悪くならないことだけを願い、会...

ログインして続きを読む