第21章 一群の初心者

仕事中の佐藤愛は、北村翔のその様子を見て、思わず口元を歪めた。

彼女は考えていた。もし北村翔が、彼がどこを探しても見つからないバイクの女神が自分だと知ったら、どんな顔をするだろうか?

まあいいか、しばらくは神秘的なままでいよう。

車が完全に停まった後、北村翔は降りようとした。ドアを開けかけたところで、何か思い出したように振り返り、佐藤愛に言いつけ始めた。

「言っとくけどな、俺は一回り遊んでくるから、お前はおとなしく車の中にいろよ。バイクのPKは危険な遊びだからな。お前みたいなドジは怪我するぞ」

「辰兄がお前を連れて行けって言ったから連れてきた。遊ぶかどうかは、お前の勝手だ」

北村...

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