第25章 あなたが葉田さんを付き合う?

葉田静香の手振りに従い、北村辰が振り向くと、車椅子に座っている佐藤愛の姿が目に入った。

佐藤愛は足を怪我していたため、ずっとズボンの裾をまくり上げていた。その目を引く青紫色のあざが北村辰の目に映った時、彼の瞳に一筋の心配の色が閃いた。

「おチビさん……どうしたんだ?」

北村辰は二言目には続かず、素早く佐藤愛の前に駆け寄った。

葉田静香はもともと痛みで北村辰の注意を引きたかったのに、散々騒いだというのに、北村辰はなんと佐藤愛の側へ行ってしまった。

「北村社長、あの子が私を踏んだんです。もう骨が折れそうなくらい踏みつけられて……」

葉田静香は再び告げ口をした。

葉田静香の再度の訴え...

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