第40章 証拠はどこにあるのか?

平沢健は平沢寧々の話を聞いて、眼鏡越しの老眼を細め、佐藤愛の醜い顔を見つめた。

この件が起こる前から、平沢寧々は平沢健にさまざまなことを話していた。

北村家は裕福で、北村家の北村星様と北村萧様は二人とも南町大学に通っている。平沢寧々は北村萧様に目をつけ、北村家の三番目の若奥様になりたいと思っていた。そのため、大学に入学するとすぐに北村萧に好意のシグナルを送り始めた。

北村萧は女性関係にまだあまり詳しくなかったが、平沢寧々が自分に擦り寄ってくるのを、利用できるものは利用するという態度で受け入れていた。そうして行き来するうちに、平沢寧々は北村萧様との関係がうまくいっているという錯覚に陥って...

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