第48章 大姐の風格

北村辰が自分におかゆを口移しで飲ませろと求めるのを聞いて、佐藤愛はカッとなった。

これは図に乗っているんじゃないか?

彼が病気になって、自分が彼を階下まで引きずり、病院に連れて行き、入院費も払い、救急処置の同意書にサインまでしたというのに、今度は食事まで食べさせろだって?

彼は何を考えているの?

佐藤愛は粥の入った茶碗を受け取りながら、思わず彼の頭にぶちまけたい衝動に駆られた。

北村辰も彼女の考えを見抜いたようで、ひどく弱々しく、哀れっぽい表情で佐藤愛を説得し始めた。

「君が粥を食べさせてくれないと、僕の状態はもっと悪化するよ」

「どう言っても君んちと僕んちは世代を超えた付き合...

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