第16章 老いぼれ

「え、部屋にいるの?」

実際、古川有美子もはっきりとは分からなかった。

塚本郁也が高橋茜とデートしているなら、そう早く帰ってこないだろうと思い、彼女は自分にミルクティーを買って、少し買い物をしていた。

帰ってきた時、高橋茜が車で出ていくのを見かけた。あの女は陰気な目つきで彼女を睨み、まるで食い殺したいような目をしていた。

古川有美子は、塚本郁也はもう帰ってきているだろうと推測した。

古川有美子の言葉を聞いた塚本お爺さんは、少し眉をひそめた。

「彼はお前と一緒に挨拶に行ったのか?どうだった?」

「はい、とても良かったです。お父さんもお母さんも彼のことを気に入ってました」

塚本お...

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