第18章 自発的な協力

塚本家の夕食時間。

食卓の上は非常に静かで、箸と食器が軽く触れ合う音と、食べ物を噛む音だけが聞こえていた。

この重苦しい雰囲気の中、古川有美子も必要以上に静かにしており、心ここにあらずといった様子で食事をしていた。

戻ってきて半日も経っていないのに、もう古川家での日々が恋しくなっていた。

やはり金の巣、銀の巣よりも自分の犬小屋がいいというあの諺は、嘘じゃなかったんだな。

早く塚本郁也と相談して、引っ越しの件を話し合わなければ。

古川有美子は無意識のうちに塚本郁也を見やった。思いがけないことに、塚本郁也もちょうど彼女の方を見ていた。

二人の視線が空中で交差し、お互い少し驚き、知...

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