第33章 遊びに出かける

二人とも古川有美子の出現を予期していなかった。一瞬反応が遅れ、彼女をぼんやりと見つめていた。

空気の中にはかすかな居心地の悪さが漂っていた。

しかし、お爺さんはさすがに見識の広い人物で、これまで多くの荒波を乗り越えてきた。古川有美子の言葉を聞くと、すぐに塚本郁也に言った。「有美子が同意したんだ。まだ何か文句があるのか？」

「少しは気概を見せろ。女の子にも劣るようではいかん」

古川有美子は塚本郁也に甘く微笑み、自ら彼の腕に手を回した。声は柔らかく甘美だった。「旦那さま、帰りましょう」

一言の「旦那さま」で、塚本郁也は我を忘れた。

一瞬、頭の中が真っ白になり、我に返った時には、すでに...