第39章 愛ではない

「話せよ、嬉しくてたまらないのか?」

古川有美子が長い間返事をしないので、塚本慎平はすでに待ちくたびれ、先に攻めることで内心の不安を隠していた。

古川有美子の心の中には今、言いたいことが六つあった。

「どこから見て私が嬉しくてたまらないように見えるの?」古川有美子は呆れた目で彼を見た。「そんな的外れなこと言えるなんて、今日薬飲み忘れた?」

古川有美子に気持ちを打ち明けた当初、塚本慎平は彼女がどんな反応をするか想像していた。

恥ずかしがるか、受け入れ難いと思うか。唯一想像していなかったのは、こうして冷静に彼を皮肉り、彼の告白を全く真剣に受け止めないことだった。

塚本慎平はかなり不機...

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