第42章 奥さんは新しい恋人

言い終わると、塚本郁也は冷たく傲然と口を開いた。「妄想も甚だしい」

彼は居間から外へ出て、真っすぐに普段塚本慎平を閉じ込めている小さな暗室へと向かった。

錠を手に取って眺めた後、傍らで見張っている家政婦に言った。「開けろ」

古川有美子は部屋の中で突然目を見開いた。

塚本郁也の声だ。彼は何をしに来たのだろう?

「郁也様、ご主人様が二若奥様を謹慎させるようにとおっしゃったんです。ご主人様のお許しなく開けるわけには…」

塚本郁也は嘲るように笑った。「なら、これからはお前らのご主人様に給料を払ってもらえ」

彼は一歩後ろに下がり、扉に向かって一蹴りを見舞った。

古川有美子はその一撃に震...

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