第47章 キス

彼女は片手で塚本郁也の腰に腕を回し、ベッドへと誘導した。

「ソファで横になってくる」

古川有美子は苦労しながら言った。「ソファは小さすぎるわ。支えきれないわよ。もし落ちたら、真夜中に私じゃ支えられないから、素直にベッドで横になりなさい……あっ、動かないで、手が挟まった」

塚本郁也の腰に腕を回していたのは、彼がふらつかないように支えるためだったが、彼をベッドに寝かせた瞬間、彼の体重に引っ張られて自分もベッドに転がり込んでしまった。

彼の背中が自分の手を押しつぶしていた。

古川有美子は彼の隣に横たわったまま、左腕が男の体の下敷きになっていた。

彼女は大きくため息をついた。「塚本郁也、...

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