第59章 塚本社長の二つの目的

「俺に触れられないと、辛いか?」

何が辛いんだよ、馬鹿じゃない?

塚本郁也の視線が下へと移り、彼女の発育の良い膨らみかけた胸元を見た。

古川有美子も慌てて彼の視線を追って自分の胸を見下ろした。

カン……

彼女の額が男の額とぶつかってしまった。

古川有美子は素早く顔を上げ、彼と目が合った。

ちょうど塚本郁也も顔を上げ、驚いた妻と視線が交わった。

パチン……何という偶然、今度は唇と唇が触れ合ってしまった!

古川有美子はまばたきを繰り返し、頭の中が真っ白になって、後ろに下がることすら忘れていた。心臓がドクドクと飛び出しそうなほど激しく鼓動していた。

塚本郁也は目を伏せ、まつげの...

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