第6章 きっと幻覚だ!

弓場風太郎は自分がここの社長であることを知っていたからこそ、社長らしい口調で話していたのだ。

彼らに今後あらゆる職業を尊重するよう求め、労働は光栄なことだと言ったため、皆が不機嫌になり、一斉に罵り始めた。

「おい小僧、てめぇは何様のつもりだ?俺たちに思想政治の授業でもするつもりか?ただの配達員のくせに、自分が我が家の大社長とでも思ってるのか?」

「ふん、こいつは最初からここに来て無理やり侵入し、今になって威張り散らしている。今となっては強く疑うぞ、こいつが上に行って何か盗んだんじゃないかとな」

「その通りだ、こいつは見るからに胡散臭い。誰かに会いに来たとか言ってるが、配達員風情がこん...

ログインして続きを読む