第10章

葉山風子は金を投げつける快感を味わってしまった。

しかし、投げつけられた田中社長はまったく快感を感じていなかった。なぜなら、そのお金はもともと彼女のものだったからだ。

「今日のこの屈辱を飲み込むなんて、私が田中でなくなる日だわ。覚えておきなさい!今日必ずあなたを潰してやるわよ!」田中社長は恨みがましく携帯を取り出した。電話をかけると、間もなく外から重い足音が響いてきた。

がっしりとした体格の警備員二人が警棒を持って入ってきた。その瞬間、葉山風子の心臓はドキドキし始めた。彼女の戦績は派手だったが、同じタイプの女性にしか対応できない。

男性に対して、女性は体力的に先天的に不利だ。ましてや...

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