第12章

葉山風子と相澤俊がショッピングモールに入ったばかりのとき、葉山風子は桂原明からの電話を受けました。

葉山風子は少し恥ずかしそうに相澤俊を見ました。「すみません。主人からの電話なので、ちょっと横で受けてきます」

「どうぞ、まだ時間はたっぷりあるから」相澤俊は笑顔で頷きました。

葉山風子が離れると、相澤俊の表情はすぐに崩れ落ちました。

「くそっ、やっと何を忘れていたか思い出した。桂原社長に電話を返すのを忘れていた」

相澤俊は少し焦り、急いでトイレに駆け込み、桂原明の携帯に電話をかけました。

しかし、桂原明はちょうど葉山風子と通話中だったため、相澤俊の電話はつながりません。彼はすぐにそ...

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