第28章

葉山風子が返信を送った後、ちょうどスマホを閉じようとしたとき、トーク画面に桂原明からのメッセージが届いた。

「そのセルフィー、なかなかいいね。保存しておいたよ。次また俺を脅そうとしたら、ニューヨークプラザの大スクリーンにお前の写真を映してやるからな」

葉山風子の口角がピクリと動いた。彼女はスマホの画面越しでさえ、桂原明がメッセージを送る時に邪悪な笑みを浮かべていることを感じ取れた。

「このクソ野郎!」葉山風子は高々とスマホを掲げたが、次の瞬間、静かにテーブルに置いた。

怒った時にどうして物を投げつけるのだろう?壊れたらまた新しいのを買わなきゃいけないし、もったいないじゃない。

桂原...

ログインして続きを読む