第37章

葉山風子は急いでシートベルトを外し、車内で激しく体を揺すり始めた。服の中に入ったクモを振り落とそうと必死だった。

「くそっ、あのクモが背中に回ってる」葉山風子は焦りながら車内で体を揺すり続けた。

「それじゃ振り落とせないよ。俺が手伝おうか」桂原明は手を伸ばして葉山風子の服の中に入れた。

葉山風子は桂原明の手が自分の背中の肌に触れるのを感じた。滑らかな肌に鳥肌が立った。

桂原明も葉山風子の肌の変化を感じ取った。心の中に湧き上がる動揺を必死に抑えながら、手を動かしてクモの痕跡を探した。

「まずい、クモが腰に移動した」葉山風子はまた身をよじり始めた。

「暴れないでくれ。捕まえられなくな...

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