第11章

クロエ・モーガン の視点

私は頷いた。ドミニクと過ごした時間は長くないが、彼の傍にいると安心感を覚える。

リアムとの婚約を解消できると思うと、早くモーガンの家に戻りたい気持ちでいっぱいだった。

ドミニクが「送っていく」と言った。

「ドミニク、ありがとう!」

彼は何も言わず、ただ私の手を握りしめた。まるで私を安心させるかのように。

ドミニクの掌はとても温かく、その温もりが私の心まで温めてくれた。

彼はいつも私の気持ちを気遣ってくれているようだ。

窓の外の景色が次々と変わり、モーガンの家に近づくにつれて、ジェームズにどう切り出そうかと考えていた時、ドミニクの携帯が...

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