第10章 二人の可愛い子供たちが再び会う

翔太は藤原隆の叱責の声に怯え、目が真っ赤になっていた。

呆然とする翔太を見て、藤原隆は仕方なく溜息をついた。彼はこの件が翔太の責任ではないことを理解し、再び矛先を鈴木美咲に向けた。

「きっとあの悪質な女がまた翔太を唆したんだ!」

藤原隆は振り返って翔太を連れて行った。

ちょうどその時、桜はトイレから出てきたところで、ある人影が翔太を抱えて立ち去るのを目撃した。

桜は後ろから大声で呼んだ。

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

翔太はそれを聞いて顔を出したが、藤原隆は振り返りもせずに歩き去った。

鈴木美咲は偶然にも藤原隆とすれ違うことなく、二階で心配そうにしている桜を見つけた。

「桜...

ログインして続きを読む