第11章 お父さんも実はいい人

翔太がまだ考えていた時、空は窓から、ちょうど屋敷の裏庭で人目を忍ぶように動いている鈴木美咲の姿を目にした。

五分後、鈴木美咲は藤原邸に到着した。

藤原邸の外には、藤原隆が配置した警備員たちがおり、厳重に守られていた。

正面突破は明らかに不可能だった。

鈴木美咲は昔、裏庭に隠れた小さな穴があったことを思い出した。藤原隆はその存在を知らなかった。

彼女はすぐにそこへ走り、幸いにも穴はまだ塞がれておらず、そこから中へと潜り込んだ。

発見されないよう、鈴木美咲は細心の注意を払い、巡回する警備員と至るところに設置された監視カメラを必死に避けながら進んだ。

空が鈴木美咲を見た瞬間、目を輝か...

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