第22章 彼女にはふさわしくない

藤原家。

「翔太」はおずおずと藤原隆の後ろについていた。彼はまだ藤原隆に直接話しかけるべきか迷っていた。

今、彼の機嫌が悪いのに、自分が話しかけたら、藤原隆は怒りを自分に向けるのではないか?理由を聞き出せないどころか、閉じ込められてしまうかもしれない。

「お父さん」

「翔太」は長い間考えた末、やはり藤原隆に話すことに決めた。

どうせいつかは答えを知らなければならない。

勇気を出して「お父さん」と一声かけた。

藤原隆は書斎に入ろうとしたところ、「翔太」が呼ぶ声を聞いて足を止め、振り返って「翔太」を見た。表情には疑問が浮かんでいる。

「お父さん、質問があるんだ」

彼は緊張しなが...

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